世界のアロマテラピー事情
アロマテラピー各国の普及状況
フランス
フランスのアロマテラピーの特徴はメディカルアロマテラピーが取り組まれていること。医師が患者を診断し、エッセンシャルオイルの処方がされて、それを薬局に持っていくと調剤してくれます。
通常はエッセンシャルオイルの内服は固く禁じられていますが、フランスでは医師の管理下での内服もあります。
アロマテラピーの目的も、日本のようにエッセンシャルオイルの香りを活用して心身を癒すというものではなく、エッセンシャルオイルの抗菌力を活用して感染症に用いることもあります。アロマテラピーの対象も、ストレスに悩む人ではなく、病気の人であり、エッセンシャルオイルは品質も管理もきびしいものです。スイスやベルギーでも同じような取り組みがおこなわれています。
イギリス
イギリスはフランスと違い、医療面よりもリラクゼーションを目的としたオイルマッサージ中心で普及しています。アロマテラピーをおこなうのは医師や薬剤師ではなく、アロマセラピストと呼ばれるアロマテラピーの専門家がおこなっています。そのため、アロマセラピストを養成するスクールが多数あり、それらが協会や団体をつくって自主的にアロマセラピストの資格検定をおこなっています。
イギリスでのアロマテラピーの普及はガット・フォセの弟子であるマルグレット・モーリー婦人がイギリスでアロマテラピーの効果をを美容分野と結び付けようとしたことが理由のようです。一方では医療として取り入れているフランスやベルギーと、教育面での交流が進んでいて、イギリスでも医療面での取り入れが着実に浸透しつつあります。
ドイツ
ドイツでは医療面の取り組みがアロマテラピー単独よりもドイツの古い伝統である自然療法の一つとして、他の自然療法と併用されています。
ドイツではハイルプラクティカー(ドイツ語のheilen<治癒する>とpraktiker<実践する人>の合成語で自然療法士を意味します)と呼ばれる専門教育を受けて認定されたスペシャリストがいます。この制度はドイツだけです。彼らの手によってアロマテラピーが臨床的におこなわれ、その多くの人が非常にレベルが高いことで知られています。特に慢性病、生活習慣病、疾病の予防の面で優れているといわれます。香りの作用を薬理的だけでなく、心理的な作用にも注目し、香りを哲学と結び付けるなどアートの分野に応用しています。
アメリカ
アメリカは日常的なストレスに対応するものとして普及が進んでいます。自分でブレンドして楽しむよりは、すでに製品となっているものを目的別に買い求めて手軽に自分の生活に取り入れるのはアメリカのお国柄かもしれません。
また、香りをただよわせて話題をつくったり、客の気を引くなどマーケティングにも応用されています。アメリカ合衆国におけるアロマテラピーは、昨今の日本で湧き起こったブームとはひとあじ違うものの、ポピュラーな生活習慣として一般の人々に親しまれています。
日本
日本では医療面よりもエステティックサロンやリラクゼーション施設などで、美容法やストレス解消法として普及がスタートしました。また、雑貨店などで、香りを楽しむインテリアの一種としても導入されました。
しかし、1990年ごろから医療従事者や研究者の一部にエッセンシャルオイルの持つさまざまな効用が注目されはじめ、その働きが科学的に検証されるようになりました。それがアロマテラピーの普及促進になり、国内外のアロマテラピー関係者に勇気を与えることになりました。日本におけるアロマテラピーは海外、特にイギリスの影響を強く受けていますが、科学的検証の面においては日本の研究レベルが優れているため、香りの脳への伝達の仕組みや神経系、内分泌系、免疫系への作用の分野では一歩リードしています。